CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=104988832による
稲川淳二 ― 怪談界のレジェンド、その魅力と代表作
夏の風物詩といえば花火やかき氷、そして“怪談”。その怪談界で絶対的な存在感を放つ人物が、稲川淳二さんです。独特の語り口と迫真の表現力で観客を恐怖と感動の世界へ引き込み、30年以上にわたり第一線で活躍し続けています。
稲川怪談とOG3
OG3が稲川さんの怪談と出会ったのは、少年の頃、多分小学生低学年くらいの時だったと思います。番組名は忘れてしまいましたが、夜のバラエティーかワイドショーで、稲川さんがゲストで出演していました。
その時、人形と一緒に出演していたんですが、それがすっごい不気味で。
その人形が稲川さんの最恐怪談『生き人形』に登場する少女人形の実物だったんです。
それからですかね。稲川さんの怪談に夢中になったのは。
以来数十年間、現在に至るまで、彼の出演するテレビ番組をチェックしたり、ビデオなどの映像作品、書籍、ゲームなど稲川さんの作品にすっかりハマってしまったわけですね。
代表的な怪談作品(OG3的)
1. 生き人形
1976年の深夜、ラジオ番組の帰り道に高速道路で少女のような人影を目撃。後日、友人の人形使いから舞台出演を依頼されるが、使う人形の顔があの少女と瓜二つだった。やがて人形の製作者の失踪、台本家の自宅火災、関係者の急死など、不幸が次々と降りかかる――。
2. 先輩のハト
学生寮に引っ越した友人は、隣室の先輩から「窓を開けて寝ると、ハトが入ってくる」と聞いていた。夏休み、寮に一人残った夜、布団に横たわる耳に「クック、クルック」と鳩の声が近づく。だが、その声は次第に低く変わり、笑い声のようになっていく…。
3. ユキちゃん
放送局に勤め始めた友人の娘が一人暮らしを始めた。ある晩、窓の向こうの夜道から「ユキちゃん」という声が聞こえたが、犬の散歩だと思い眠りにつく。翌晩も同じ声がが聞こえてきて、不思議に思った彼女が窓の方を見ると、窓には人影がぴったりと張りついていた――。
4. あるサーファーの死
夏の海で仲間とサーフィンを楽しんでいた友人が、昼になっても戻らない。夜、旅館に警察が訪れ、「昼に遺体が上がった」と告げる。確認のため案内された病院で、シートの下に横たわっていたのは行方不明の友人だった。だが、その足元には――。
まとめ
ここには比較的初期の怖い話ばかりを挙げましたが、今聴いても色あせない怖さがあります。
特に初期収録のバージョンは、稲川さんの脂ぎった鬼気迫る表情とまくしたてる語り口調に思わず引き込まれてしまいます。
また稲川さんの怪談にはいわゆる”泣ける話”もたくさんあります。
亡くなった人との最後の別れ、家族や恋人の深い愛情、そして偶然のようで必然とも思える不思議な再会…。
そこには単なる恐怖や怪異だけでなく、人間の温かさや切なさが織り込まれており、聴き終えたあとに静かに胸を打つ余韻が残ります。こうした作品は、夏の肝試しのような「一瞬の恐怖」とは違い、何年経っても心の中で生き続ける物語です。
稲川淳二さんの魅力は、まさにこの“恐怖と感動の同居”にあるといえるでしょう。
稲川怪談、OG3のおすすめポイント
- 語りの間合いが絶妙で、耳に残るフレーズが多い
- 「イー、イッ!」「およおよおよおよ」「カーンコーンカーンコーン」など擬音が面白い
- 実在の地名や人物を交えることで、リアルさが倍増
- 怖さの中に温かみや人情を感じさせるストーリーテリング
特に夏の夜、静かな部屋で一人、稲川さんの声に耳を傾けると…その物語は、あなたのすぐ背後で起こっているかのように感じられるでしょう。
稲川淳二さんのプロフィール
- 本名:稲川 良彦(いながわ よしひこ)
- 生年月日:1947年8月21日
- 出身地:東京都渋谷区恵比寿
- 学歴:桑沢デザイン研究所 工業デザイン科卒
デザイナーから怪談家へ
稲川さんはもともと工業デザイナーとして、ヤマハやスズキのボディデザイン、店舗設計などを手がけていました。さらに通商産業省(現・経済産業省)選定のグッドデザイン賞を「車どめ」で受賞するなど、デザインの世界でも高い評価を受けています。
その後、ラジオDJやテレビのリポーターとして活躍。ラジオで披露した怪談話が話題となり、怪談家としての道が本格化しました。
怪談ナイト ― 夏の恒例イベント
1993年から始まった全国ツアー「MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談ナイト」は、毎年夏に全国各地で開催される怪談ライブです。会場は薄暗く、独特の間合いや抑揚のある語りが、観客を一気に怪異の世界へ引き込みます。このイベントは30年以上続き、稲川さんの代名詞ともなっています。
温かい人柄と社会貢献
「稲川の悪い話は聞かない」と言われるほど温厚で、ファンへの気配りが細やかな人柄も魅力のひとつ。また、障がいを持つ子どもの親として、バリアフリーや福祉関連の講演活動にも力を入れています。
YouTubeでも怪談を発信
2020年からはYouTubeチャンネル「稲川淳二メモリアル『遺言』」を開設。登録者数は10万人を超え、累計再生数は1,200万回以上(2023年5月時点)と、多くの人々に怪談の魅力を届けています。
まとめ
稲川淳二さんは、怪談家としての圧倒的な存在感だけでなく、デザイナーや社会活動家としても多才な顔を持つ人物です。その温かい人柄とプロフェッショナルな語りは、これからも多くの人を魅了し続けるでしょう。
今年の夏は、稲川さんの怪談ナイトで背筋の凍る体験をしてみてはいかがでしょうか。
OG3はTikTokでも、稲川淳二さんの名作怪談や、オカルト、ホラーなどを短尺動画で配信しています。ぜひ遊びに来てください!
🎥 TikTokはこちら →あげけぬ
稲川淳二 関連商品
- 【書籍】
価格:1210円
(2025/8/16 07:55時点)
感想(3件) - 【DVD】
価格:1089円
(2025/8/16 08:06時点)
感想(0件) - 【コミック】
コミック稲川淳二 恐怖濃厚傑作選【電子書籍】[ 稲川淳二 ]
価格:550円
(2025/8/16 08:29時点)
感想(1件)
コメント